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2021.1.22

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2021年7月22日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年2月25日

いまの、東京で執筆する日常、読んだり書いたりした本のこと、そして地元への思い。そういうことを書くよう求められて、私は第一回に、メアリ・ノリス『カンマの女王』を題材にして、誤字について書いた。

 小説家も誤字とかするんですね! 意外! おもしろかったです!

 担当の、やっぱり私と同じ高校を卒業した、中学まではサッカーをやっていたヴァイスが仲良くしていた女子サッカー部の後輩、だったという担当記者は、褒めているのかどうかよくわからない、とりあえず没ではないことはわかって安心できる内容の返事をしてくれたのだが、次は何を書くべきなのか。何を書けばあの、どんな文にも〈!〉をつけて、その健康的ないきおいで言葉に肯定のニュアンスをまとわせる一学年下の記者を感心させられるのか。いつ読んだのだったか、『フリーランスの教科書』という本のなかで、フリーランスとしてやっていくなら、時給に換算すると五千円くらいの仕事をしていく必要がある、と書かれていた。ほかの内容はだいたい忘れた今も、その一文は──小説の書き出しについてのあの言葉と同様に──頭にこびりついている。しかしそれでいくと、私は、こうして考えてる今もうとっくにコラムをやっつけ──やっつけ仕事、という意味ではなく、なんというか、ウルトラマンが怪獣を退治するみたいなニュアンスで──ていなければならないことになる、のだが、こうやってやくたいもない思考を巡らせるばかりで、コラムは一文字も書けていない。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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