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2021.3.12

 コーヒーを淹れ、ふたつのカップに分けて、私たちはそれぞれの部屋に入った。ひと仕事終えたとはいえまだ朝で、やるべきことはいくつもあった。

 スリープモードになっていたPCにログインしなおし、編集者から送られてきたテキストファイルを開く。裏紙をセットしようとプリンタの前にしゃがんだところで、隣室から、ベランダの引き戸が開く音が聞こえた。


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