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2021.3.12

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2021年9月10日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月4日

 コーヒーを淹れ、ふたつのカップに分けて、私たちはそれぞれの部屋に入った。ひと仕事終えたとはいえまだ朝で、やるべきことはいくつもあった。

 スリープモードになっていたPCにログインしなおし、編集者から送られてきたテキストファイルを開く。裏紙をセットしようとプリンタの前にしゃがんだところで、隣室から、ベランダの引き戸が開く音が聞こえた。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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