2021.2.17

二個セットで売られていたリストバンドで、あの夜ヴィッつぁんは両手首にはめていた。年に一度の京都サンガのホームゲームでも、親にねだって──親たちは、招待券をもらったのだし、何らかのかたちでチームにお金を落とさなければ、という義務感にかられでもしたように、消しゴムだのトランプだのキーリングだのを子供に買い与えていて、リストバンドは比較的高価なほうだった──買ってもらった子供らが、ラモスが何かするたびに両腕を振り回すのを、アディダスのふつうのやつあるしあんたぜんぜん使っとらんでしょ、と買ってもらえなかった私は、たぶん恨めしい目で見ていた。