2021.2.16

私は彼への寄せ書きに、ヴィッつぁんにいっぺんホンキでタックルされてみたいっす!とテキトーなことを書いた。イカスミスパ会で色紙を受け取ったヴィッつぁんは、ほかの人の言葉を読み上げてうれしそうにゲラゲラ笑っていた。もちろん私がその場でホンキのタックルをされることはなかった。本家のダーヴィッツ──とそれを模倣したヴィッつぁん──が、ハードタックルが身上の選手だったことをふまえ、卒業したあと、サッカーをやめて、ダーヴィッツとのつながりが失われたとしても私にとってヴィッつぁんはヴィッつぁんなのだ、というメッセージを込めた、いま振り返っても、小学生にしては高等なジョークだったのだが、褒めてくれる人もいなかった。だから二十年あまりあとになってこうして自分で褒めているのかもしれない。

 そういえば、たぶんあの夜より後のことだと思うのだが、しばらく数年の間、私の部屋に京都サンガのリストバンドがひとつだけあった。