2021.2.25

 私もヴィッつぁんのこと、中学以降はぜんぜん知りません。そういうものですよね。私はそうやって返した。私たちが次にメールのやりとりをするのは次のしめきりのときだろうし、そのころには私たちは、メガネくんのこともヴィッつぁんのことも忘れてしまっているのだろう。

 コラムの原稿を〈作業終了〉のフォルダに入れて、伸びをした。玄関のほうから、鍵を回す音が聞こえた。私は立ち上がり、カップの底で冷えていたコーヒーを飲みほす。書きながら息を詰めていたようで、火照った喉に心地よかった。