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2021.3.19

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2021年9月16日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月10日

 座談会中にどんな話を私たちがしたか、憶えていることはそれほどなく、きっと緊張していたのだと思う。原稿を読みながら思うのは、この人ら、なんかもうちょっと上手く言えんもんか、ということばかりだ。構成の担当者──今回はフリーライターの鎌部さん──が整えてくれてはいるが、私や宇野原さんの発言には何を示しているのか不明瞭な指示語が多く、久保野くんは自分が台詞から構想するタイプだと三度強調していて、林原さんと君島さんは言葉すくなながら内容が整理されている。宇野原さんや山形出身の久保野くんの方言も標準語になおされておらず、私は熱が入ると君島さんにまでため口をきく。あの場のくだけた雰囲気を残そうとしているのがわかって、私は、あきらかな事実誤認と誤字のところ以外直さずに編集者に送った。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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