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2021.3.5

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2021年9月2日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月4日

 でも、もちろん、というか、それは編集者なりライターなりが文字起こしを構成しなおしたもので、そのことを、構成:編集部、みたいなクレジットを見たことだってあるはずなのに思いつかなかった。ほんとうはみんなもっとグジャグジャとしゃべっている。私のはじめての座談会には宇野原さんも参加していて、ほら三島のさ、なんやら読本んなかにありましたやん、文学をトドかなんかになぞらえとるの、あーゆーのんを書けたらええっちゅーかぼくの理想で、だからじつはですな、三島の、ほれ、あの、なんだ、多大なる影響下にあるんですわぼく、意外でしょ?という発言が、送られてきた原稿では「三島由紀夫が「小説とは何か」のなかで、小説をミナミ象アザラシに擬えていますよね。「何ともいえない肥大した紡錘形の、醜悪な顔つきの海獣は、実に無意味な、始末に困る存在」だ、と。「グロテスクだが健康で、断じてデカダンでない。そしてその主題は、怠惰で肥大した体躯の中におのずから具わっているのだった」。僕にとっても、理想の小説というのはこのようなものだと思っています。作風はちがっていても、三島の影響下にあるという自覚があります」となっていて、これは誰の発言だ、と思ったものだった。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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