2021.3.5

 でも、もちろん、というか、それは編集者なりライターなりが文字起こしを構成しなおしたもので、そのことを、構成:編集部、みたいなクレジットを見たことだってあるはずなのに思いつかなかった。ほんとうはみんなもっとグジャグジャとしゃべっている。私のはじめての座談会には宇野原さんも参加していて、ほら三島のさ、なんやら読本んなかにありましたやん、文学をトドかなんかになぞらえとるの、あーゆーのんを書けたらええっちゅーかぼくの理想で、だからじつはですな、三島の、ほれ、あの、なんだ、多大なる影響下にあるんですわぼく、意外でしょ?という発言が、送られてきた原稿では「三島由紀夫が「小説とは何か」のなかで、小説をミナミ象アザラシに擬えていますよね。「何ともいえない肥大した紡錘形の、醜悪な顔つきの海獣は、実に無意味な、始末に困る存在」だ、と。「グロテスクだが健康で、断じてデカダンでない。そしてその主題は、怠惰で肥大した体躯の中におのずから具わっているのだった」。僕にとっても、理想の小説というのはこのようなものだと思っています。作風はちがっていても、三島の影響下にあるという自覚があります」となっていて、これは誰の発言だ、と思ったものだった。