2021.4.26

 試合はずっとたがいに無得点で、このまま痛み分けかと思っていた後半の、試合終了間際に、この日がデビュー戦だった富樫敬真のゴールでマリノスが勝つまで、私たちはとくにやりとりをせず、ただ、たぶん何度か目を合わせながら、ずっと離れたところでいっしょに試合を観た。マリノスが勝ったのはうれしかったものの、前月に特別指定選手になったばかりの、まだ大学生の富樫のことを私はぜんぜん知らず、喜びより、あれ誰だろ、という戸惑いが大きくて、あまり興奮することはできなかった。

 私たちは階段の上で合流し、試合結果について矢つぎ早にしゃべりあいながら新横浜駅まで歩き、また並んでラーメンを食べて帰った。