2021.4.25涼 水原2021年10月23日読了時間: 1分更新日:2022年3月12日 私たちはスタジアム入口に続く階段の上で別れ、それぞれのチケット(私はホーム自由席、ミツカくんはアウェイ自由席)で入場した。FC東京の応援席はゴール裏にあり、私が座ったのとはちょうど反対側だった。私たちはLINEを送りあってお互いの居場所──どちらもけっこう上のほうの、他の客からは離れた、二十二人の動きを俯瞰できる席──を見つけ、手を振りあった。2021.4.262021.4.24
明日のこと高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...
2021.12.31行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...
2021.12.30今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...
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