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2021.5.3

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2021年10月31日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月12日

 さいごに九人で集まったのがあの日だった。私は前日に、山手線の内側でも東のほうにある恋人の部屋に泊まって、二人で東京駅から東海道線に乗った。宇野原さんとベラさんは当時も神楽坂で同棲していて、仕事終わりに泊まった(宇野原さんの長っ尻のせいで帰れなかった)ミツカくんと三人で、ちがう時間の、私たちと同じルートをたどった。エリカとリンは山手線の左下の外側──渋谷か新宿から出るどれかの沿線だったはず──に住んでいて、そこから東横線か何かに乗ったと言っていた。林原さんは川崎で、彼女は湘南新宿ライン。ルールーは千葉の、東西線のすごい先のほうに住んでいたはずだけれど、湘南モノレールに乗ってきた。彼女もたぶん誰かの家に泊まったのだろうか。千葉から、東葉勝田台よりは西とはいえ千葉県から江ノ島までは、考えてみれば県境をふたつ越えなければならない。高校からずっと、その時々の学校や職場の徒歩圏内に住みつづけ、いまでは通勤すらしなくなった私にはほとんどアンビリーバブルで、そりゃ前泊もしたくなるよな。


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