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2021.7.31

延期したあげく中止になったはずなのに強行されていたオリンピックに際して、かつて東京で開催されたときはいろんな作家が観戦記を書いてたし、そういう本もいくつか復刊していたから、東京でまたやると決まったとき、作品からほとばしってるくらいサッカー好きな私なんかにだって特等席で試合を観て原稿書いて金を貰うような仕事が来るんじゃないか、とちょっと期待するところがあったのだが、無観客で開催されることになってそれも潰えた。五輪にあわせていくつか企画が動いたりもしていたみたいだが、関わっているのはビッグネームばかりで、私(や宇野原さんやルールーや林原さん)にお声がかかることはなかった。そのくせ年末やゴールデンウィークと同じように、五輪進行とかいう名前でいろいろの締め切りが数日ずつ早まった。当時の私は地元紙のコラムを除いて連載を持っておらず、数日スケジュールが早まったところでたいして問題のない仕事量だったのだが、ルールーはエッセイや小説の、いずれも月一回の連載を三つ抱えていて、私が五輪進行という言葉を知ったのも、彼女がつぶやいて数時間後に消した愚痴ツイートからだった。


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