というのは、打ち合わせを終えてログアウトしたあとで、心に残った言葉を書きうつしてるノートを見返しながら、あのときこう言えばよかった、と思ったことだ。これが対談か何かであれば、ゲラになる前の原稿の段階で、ほんとはそんなこと言ってなかったじゃん、と相手の顰蹙を買いながらも発言を書きかえたりできるのだが、これは記録には残らない打ち合わせで、挽回の余地はなく、実際のところ私は、でもほら、ジョージルーカスだって地球から出たことないのにスターウォーズ撮ったわけですし、あとぼくはあの、ほらわたしは地球生まれでしてね、みたいなことをパリのすてきなおじさんが言ってるLINEのスタンプを頭に浮かべ、そのポーズを狭い画面のなかで真似しながら言ってみたのだが、編集者にはそんなのぜんぜん伝わらず、そうですか、と煮え切らない感じで腕を組んだ。
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