2021年11月3日2021.5.6東京や川崎から、東京湾ぞいに湘南をめざした私たちは、だいたい横浜での朝食や鎌倉での乗り換えのタイミングで合流していて、江の島の最寄り駅まで一人で来たのはルールーだけだったが、とにかく私たち九人は、ルールーと宇野原さんにとってだけずいぶん早い朝、そこに集まったのだった。
2021年11月2日2021.5.5とにかくルールーは誰か──ぜったい男だよ、だって一泊したのに荷物少なすぎる、たぶん化粧品とか着替えとか置いてるんだよ、あと表情が、こう、事後の、いや後朝といいますかね、まあ勘なんだけど、とリンは、だんだん歯切れが悪くなりつつも断言していた──の家から来た。リンの言うとおり、...
2021年11月1日2021.5.4私は、私と恋人を除いた七人の、私たち以外との人間関係をほとんど知らない。林原さんの薬指に指環がある、とか、エリカは恋人と別れたときだけ私の恋人に、みやびい、と電話をかけてくる、とか、ミツカくんは客の女性たちと寝すぎてもう性とか愛とかようわかれへん、とこぼしてリンに上野千鶴子...
2021年10月31日2021.5.3さいごに九人で集まったのがあの日だった。私は前日に、山手線の内側でも東のほうにある恋人の部屋に泊まって、二人で東京駅から東海道線に乗った。宇野原さんとベラさんは当時も神楽坂で同棲していて、仕事終わりに泊まった(宇野原さんの長っ尻のせいで帰れなかった)ミツカくんと三人で、ちが...