ヴィッつぁんはダーヴィッツ同様、守備に走り回り、ときにはファールをしてでも相手を止めることを躊躇わない選手で、彼のタイミングを逃さない──しかし小学校年代ではあまり推奨されない──スライディングタックルに、私たちは何度も救われた。プレースタイルまで本家に似とる、と私たちは、ダーヴィッツのプレーをほとんど観たこともないくせに言い、ヴィッつぁんも、いまのはインテル戦でやっとったのの真似だわ、とか、エドガーの──彼は本家との、相手は知りもしない絆を強調するようにファーストネームで呼んでいた──魂がここに、おれんなかに宿ったんだわ、などとうそぶいていた。あれは、ゴーグル──緑内障と近視、深刻度は違うにせよ、目にまつわるハンディで重ねられるのがいやで、ダーヴィッツのプレーを受け継ぐように自分のスタイルを構築したのだろうか、と思いついたが、いまの、大人になった私が、その心中のけなげさを哀れむなんて、これも本家同様に気性の荒いヴィッつぁんが怒りそうなことだ。
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