2021.11.23

 フランス文学の影響の大きい作品──いちばんキツい書きかたによれば焼きなおしスレスレの作品だった。その反応は想定していたとはいえ、評のほとんどが、句点も改行もない、たまに字体も変わる、オーソドックスからは離れた文体の功罪、みたいなところに集中していて、内容の話をする評は少なかったし、そういう評は、こんどは文体のことをスルーしていて、どっちにしろ食い足りない。下手な批評なんて馬糞のたっぷり詰まった小屋だ、と村上春樹は書いていたが、私の作品を食って出した糞のにおいはやっぱり気になり、私は自作についての時評や月評を、あまり良い読み手とは思わない人のものでも読んでしまう。ジャッジではなくスカウトの心で読むのだ、と、私が信頼している読み手の一人が、古井由吉を引用して言っていた。林原さんの評も、単なる良し悪しの指摘ではなく、作品をより良くすることをめざして組み立てられている。彼女たちの評は私にとって、批判的なものであってもありがたい。

 こんなとこかな。