2021.2.7

 そのあとどんな話をしたのだったか、家に帰ってからも、ヴィッつぁんの横顔が目に焼きついていた。眼鏡のフレームの間からのぞく、こちらを見ることのないかたくなな瞳。それまで、顔にフィットするようになっているゴーグルのフレームに隠されて、私がその角度から彼の目を見たことはなかった。いつまでも鼓動が頭のなかでうるさく、それはまったく気持ちの良くないことだった。その感情がなんなのか、よくわかってはいなかったが、いま思えば恐怖だったのかもしれない。