2021.6.30

 私は恋人がいっしょならどこでもいいし、彼女も、私が育った土地はなんでも見てやろう、という気構えで、梅雨の湿気にすぐ汗ばみながらも、えっちらおっちらペダルをこいで一級河川を遡っていく。彼女の故郷も地方の、私が育ったのと同じくらいの規模の小都市で、距離や移動の足についての感覚が私にちかいものがあり、なんとなく決まった、山のけっこう中のほうにある、たしか日本の滝百選とかに選ばれたすごい滝、という、いま思い返すとたいして魅力的ではない目的地にも、あんまり抵抗はないようだった。