2021.7.14

ティエンの言葉から、関係のないことに話は流れていって、けっきょく二人は私たちを夫婦だと誤解したままで終わった。私たちは、あつあつの湯豆腐を食べあぐねている二人に別れを告げて席を立った。

 いやあ、暑いのにごめんねえ、湯豆腐なんて勧めちゃって。レジを打ちながら、店主の女性が可笑しそうに言う。

 美味しかったです。ね。

 ね、湯葉。

 私たちは目を見交わした。鰹だしがあっさりして、豆腐そのもののコクが深く、私たちは、それはまあひどい汗をかきつつも、夢中で食べたのだった。