冬に食べる湯豆腐は暖取るためのものでしょう。でも暑い夏にあえて食べる湯豆腐は、これは豆腐を味わうためのもの。また来てください。
訛りのない声で彼女は言って、これおみやげに、とおからの小袋を渡してくれた。私たちは、もう二度と会わない木村とティエンに手を振って店を出た。
とうふちゃん、哲学のクセ強くない? 恋人が、扉が閉まるのを待ちかねたように言う。美味しかったんですけども。
あの人はとうふちゃんじゃないでしょ。銀の円柱に描かれたゆるキャラを見ながら私は言う。とうふちゃんは我々が食べました。
残酷!
私たちはそれぞれの自転車に乗り、ブレーキを握り絞めて坂を下った。
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