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2021.7.25

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2022年1月22日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月13日

おそまつさま、と返して、一緒に食器を持って立ち上がる。器に水をためて、木の匙を浸けておく。半年前の朝と同じように、LDKにはチーズの残り香が漂っていて、電動ミルのすごい音と同時に、その匂いがコーヒーに散らされて消えていく。

 午前中はどうだった? 彼女は震えるミルを見下ろしながら言った。

 うん、まあ、微はかどり。

 微かー。

 みやびさんは?

 わたしも、まあ。そこでミルが止まった。蓋を開け、まだ挽き残しがあったので、すこし豆を追加してスイッチを押した。


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