2021.8.14

私たちが使っているバルミューダは、湯が沸くのが早いのはいいのだが、沸いた直後は熱すぎて、ちょっと口がつけられない。椅子には座らず、カップから静かに立ちのぼる湯気を見る。十数センチの高さにゆらめいて、香りを残して消えていく。紅茶には興味がないがコーヒーは好きで、しかしコーヒーの品種もよくわからない。炭焼ブレンドとかブルックストラジャとか、たぶん袋をちゃんと見ればどの品種がどうブレンドされてるのか書いてるのだろうが、コーヒーはコーヒーだ。

 紅茶をひと口飲む。まだ熱いからすぐ置いて、ベッドサイドの本棚の前に向かった。ここには今取っ組んでる仕事の資料とか辞書類、あとは寝る前にぼんやり読むような頭を使わないタイプの本や漫画が並んでいて、ここにワイルドの本はない。今この本棚からなにかを手に取るつもりはなく、ただこうして、数十冊しか入らない小さな棚であっても、整然と並ぶ背表紙を見ていると、脳の回路が頭から伸び出して本と本の間に張りめぐらされ、何か新しいインスピレーションを得られるような気がする。だから作業の合間とかに、こうやって何をするでもなく本棚の前に立つ。