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2021.8.14

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2022年2月14日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月14日

私たちが使っているバルミューダは、湯が沸くのが早いのはいいのだが、沸いた直後は熱すぎて、ちょっと口がつけられない。椅子には座らず、カップから静かに立ちのぼる湯気を見る。十数センチの高さにゆらめいて、香りを残して消えていく。紅茶には興味がないがコーヒーは好きで、しかしコーヒーの品種もよくわからない。炭焼ブレンドとかブルックストラジャとか、たぶん袋をちゃんと見ればどの品種がどうブレンドされてるのか書いてるのだろうが、コーヒーはコーヒーだ。

 紅茶をひと口飲む。まだ熱いからすぐ置いて、ベッドサイドの本棚の前に向かった。ここには今取っ組んでる仕事の資料とか辞書類、あとは寝る前にぼんやり読むような頭を使わないタイプの本や漫画が並んでいて、ここにワイルドの本はない。今この本棚からなにかを手に取るつもりはなく、ただこうして、数十冊しか入らない小さな棚であっても、整然と並ぶ背表紙を見ていると、脳の回路が頭から伸び出して本と本の間に張りめぐらされ、何か新しいインスピレーションを得られるような気がする。だから作業の合間とかに、こうやって何をするでもなく本棚の前に立つ。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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