私も机からスマホを取り上げた。宇野原さんのまじめくさった通達は、無数のサルたちにまぎれてこまぎれになっていたが、五時半に私たちの最寄り駅に集合、持ち物自由、暑いので飲み物は各自で持参、ということでよいか、とまとめれば三行で済む程度のことだった。そのくらいの情報を共有するのに全員で何十ものメッセージを投げ合うにぎやかさも、もう五年ぶりくらいのものだ。
私たち以外はすでに、宇野原さんの提案どおりでよい、と書いていて、りょ、とひとこと返しただけで離脱したミツカくんと、じゃあそれまで集中して今日のノルマ達成する!と宣言した林原さんを除く五人は、私と恋人の返事を、雑談でもしながら待っているようだった。
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