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2021.8.24

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2022年2月21日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月14日

私も机からスマホを取り上げた。宇野原さんのまじめくさった通達は、無数のサルたちにまぎれてこまぎれになっていたが、五時半に私たちの最寄り駅に集合、持ち物自由、暑いので飲み物は各自で持参、ということでよいか、とまとめれば三行で済む程度のことだった。そのくらいの情報を共有するのに全員で何十ものメッセージを投げ合うにぎやかさも、もう五年ぶりくらいのものだ。

 私たち以外はすでに、宇野原さんの提案どおりでよい、と書いていて、りょ、とひとこと返しただけで離脱したミツカくんと、じゃあそれまで集中して今日のノルマ達成する!と宣言した林原さんを除く五人は、私と恋人の返事を、雑談でもしながら待っているようだった。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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