自分の文章を読むのが好きだし、ゲラの段階になれば、ここから先は良くなっていくばかりだ。語彙の運用、句読点の位置、漢字の閉じ開き、ちょっとした言い回し、そういうところに手を入れれば入れるほど良い作品になる。もちろんやり過ぎれば逆効果だが、そこらへんはうまいことバランスを取る。
今回の作品は、作中に改行や句点がひとつもない、というもので、ゲラ作業も、ほとんどひと息に最後まで終えた。こちらからの修正点も、読点を入れたり取ったりするくらいだが、それが何十ヶ所もある。私はもちろん、この作品を一文字残らず自分で書いたし、読点の出し入れもひとつひとつに理由がある、のだが、果たしてそれって、読者にとっても意味のあることなのだろうか?
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