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2021.9.25

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2022年3月25日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年4月12日

けっきょくミーティングや散歩について、どうするか話さないままに、それぞれの作業に戻ってしまった。もちろん私たちは九人がみんな揃っているのがいちばん良い。でも、仕事、という明快な理由があるのだから、恋人がドタキャンしても誰も文句は言わないだろう。その場合、私もつきあって欠席、というのは誰より彼女が嫌がることだから、私だけ参加する。そうなると、なぜ彼女が一度は参加表明したのにけっきょく来ないのか、そのはじまり──夕方からヤスミンとのミーティングがあると知っていたのに、私が勝手にルールーの誘いに乗ったこと──から説明することになる。それはわずらわしい。だから彼女にはどうにかして都合をつけてほしい。私はなんとも無責任に願う。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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