2021.9.29

なじみのない場所を、手探りしながらもとにかくずんずん歩いていって、時には気まぐれに道を曲がり、あぶなそうな場所に出たら引き返して考え直し、頭の中に地図を描いていく。その土地をあとにするころには、そこに暮らす人々ともまた違った、自分だけのその土地のイメージを持ち帰る。それが小説になる。ような気がするが、どうだろう。私はほんとうにそんなイメージで小説を書いているだろうか。細かく考えていけばいくほど、小説と散歩では対応してないところが多く、いちおうネタ帳にメモしておいたのだが、比喩としては使い勝手が悪そうだ。

 そうやって、なんだか無駄なことを考えつつも、気がつけば今日だけで二十枚分くらい進んだ。頭の中でざっと原稿料を計算して時給になおす。優に五千円は超えている。もう四時だ。