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2021.9.4

  • 執筆者の写真: 涼 水原
    涼 水原
  • 2022年3月4日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月5日

 プロットは苦手だ。林原さんは、デビュー以来、プロットの相談をするのが当然だったから、文芸誌の編集者からはじめて依頼がきたとき、おおまかな枚数だけ決めて終わり、という打ち合わせにびっくりした、と言っていた。それでは不安だからとお願いして、いまではほとんどの担当者が、プロットからいっしょに作ってくれるのだという。しかしプロットを見たいという編集者に、私の、気ままに一文ずつ書きたい、みたいなわがままはなかなか通らず、年内が締め切りの百枚くらいの中篇のプロットを提出するように言われて以来、ここ四日ほどずっと悩んでいる。

 私は迷ったらだいたい夢に頼る。


明日のこと

高台にキャンパスがあり、坂を下ったところに附属の小中学校があった。私はそこで九年間を過ごした。私が小学校に入学したときは教育学部附属だったが、通ううちに教育地域科学部になり、卒業するときは地域学部になっていた。とはいえ、入学式を終えたばかりの児童にその違いはよくわからない。...

 
 
 
2021.12.31

行ったねえ。恋人が、みんなといるときよりゆったりした口調で言った。 行ったねえ。私も同じように返す。どちらからともなく手をつなぎ、北口から駅を出た。南口側ほど栄えてはいないが、こちらも駅を出てすぐは飲食店街だ。といっても、大晦日にもなるとチェーン店の多い南側と違い、北側はも...

 
 
 
2021.12.30

今年ぃ?とミツカくんが怪しむ。そうだったの?と今年ずっといっしょにいた恋人が目を見開く。あ、いや今日、今日考えてた、と慌てて訂正した。 今日ずっとでもたいがいやわ、とミツカくんが笑う。 まあでも今年ずっとよりはマシやろ。...

 
 
 

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