2021.9.8

ブームといっても地上を一歩ずつ歩く人のほうが多いのだし、歩道の端に跳ね歩き専用レーンを設置するか、逆に跳ね歩き禁止条例を作るか、とまで議会で議論されはじめたころ、東京ではまだ秋のうちに、北の街に初雪が降った。地上が雪で覆われていては跳ね歩きなんてできない。北国の長い冬の間にみんな飽きたか熱を忘れたかして、私が三度目の、先輩兼同級生が六度目の二年生をはじめた春、しょせん一過性のブームにすぎない、という理由で条例案を否決した議会の判断の正しさを証明するように、跳ね歩きの流行はあっけなく終わった。