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昼休みにジョン・ル・カレ 2025.8.31~2025.10.2
8月31日(日)晴。今朝のジョグは急坂の多いコースを、二十分ほど走った。ややスローだったので体力的には楽だった、が、上り坂はとにかく心拍数が跳ね上がる。陽射しも強く、疲れ切った。しかしキツさのバランスやアップダウンのメリハリがちょうど良い感じで、ラン後感、という言葉はないだ...
10月5日
ニュース
2020/10/4 『北海道新聞』朝刊 書評エッセイ「水原涼の降っても晴れても」掲載。ウィル・ハント『地下世界をめぐる冒険』 (棚橋志行訳、亜紀書房)について書きました。 2020/10/6 『日本海新聞』朝刊 「首都圏とっとり人物鑑」コーナーで取材していただきまし...
9月16日
自著を見かける 2025.6.3~2025.8.26
6月3日(火)一日雨。しかし朝刊にビニールのカバーがかかってなかったので、早朝はまだ降ってなかったのかもしれない。 昨日の鍼のおかげで腰痛はほぼ消え、首もかなり楽になった。雨のなかを散歩に出、パピコを二個買うと一つおまけでついてくるパピコ専用靴下(と文字で書いてみるとほん...
9月2日
最北の手前での会話 ──『筏までの距離』あとがきにかえて
稚内で誕生日を迎えたのは二十三歳から四歳に変わる秋のことだった。十月十四日、この列島の最北に位置する港町ではすでに寒風が吹きすさぶ。ずっとあと、今の東京では真冬のごく寒い日にだけ着るコートを、北の街にいたころの私は秋や春先に着ていて、そのときも、暖房のよく効いた特急を降りて...
6月26日
春のつづき ──『恋愛以外のすべての愛で』あとがきにかえて
「翌日読んでもらいたいささやかなあとがき」や「リリーへの手紙」が好きだった。いずれも著者のデビュー作である、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(庄司には別名義での作品がすでにあったが)や村上龍『限りなく透明に近いブルー』の巻末に附されたあとがきだ。作中に書かれたことが著者の身...
6月18日
ゲラを読む 2025.2.5~2025.5.8
2月5日(水)晴。今日は集英社から出る『筏までの距離』に入れる書き下ろし短篇の設計図を作る日。ウンウンうなりつつ、A7(文庫の半分)サイズのメモ用紙に書いては捨て書いては捨てを繰り返す。ときどき読書をしてインスピレーションを待ちつつ。...
5月30日
孤独の宣伝
森のなかを歩いている。植物に明るくないから名前はわからないが、緑が鬱蒼と空を塞ぎ、そこはいつでもうす暗い。さほど足元に気を遣わずに歩いているのだからきっと天然の森ではないのだろう。何百年も人の歩いてきた跡が道を作っている。このまましばらく傾斜を上がると砂防ダムがある、と思う...
3月17日
何も読まない 2024.11.19〜2025.1.28
11月19日(火)晴。今日は散歩をしない日。 昨日の疲れが残っていて、頭の巡りは今ひとつで、どうも捗らず。正午から整体へ。一時間ほどの治療の後半、鍼の効果が行き渡るまで三十分ほど刺したまま置いておく、という時間があって、先生はその間べつの患者の処置をしている。隣の診察台と...
2月6日
黄色い本 2024.9.8~2024.10.29
9月8日(日)雲の多い晴。 ここ数日、首の痛みが響いての頭痛が続いていた、のだが、昨夜は姿勢よく寝ていられたのか、やや首痛が改善、頭痛も少しはマシになった。 ベッドのなかで、ひらりさがnoteに公開していた日記「8月27日〜31日...
2024年11月10日
いくつかの印象
戦争、というとき私が咄嗟に思い浮かべるのは『プライベート・ライアン』の冒頭の、ノルマンディー上陸作戦を描いた、大人数の身体がぽんぽん破壊されていく場面のことだが、しかしそれは伊藤計劃『虐殺器官』の主人公が、動画サイトのサンプルが冒頭十五分間だけ観られるという理由で軍の同僚た...
2024年11月5日
黄色い本 2024.7.23~2024.9.3
7月23日(火)晴。起きたらよく晴れていて昨夜の豪雨が嘘みたい、というのは一昨日と同じ。 短篇に取っ組む日。ここ一週間ほど伏せっていたので、最初から推敲しながら読み返して、リズムを取り戻す。それから進筆。もくもくやってたら夕方、いきなり書き上がる。すでに予定の八割くらいに...
2024年9月16日
パリで聴くワーグナー
第一次世界大戦が勃発した直後、ドイツ軍による空襲の様子を描写しながら、戦闘機の編隊の機能美やけたたましいサイレンの響きを、まるでワーグナーのオペラ『ワルキューレ』のひと幕のようだ、と讃えたのは、『失われた時を求めて』の語り手の友人であるロベール・ド・サン=ルーだった。ワーグ...
2024年9月9日
黄色い本 2024.5.16~2024.7.12
5月16日(木)朝は雨、だんだん晴れる。午後散歩に出ると、近所の小学校の校庭でシャトルランをやっていた。私も毎年の体力テストでやらされていた。私はこういうのをムキになって頑張るタイプで、だいたい最後から三番目くらいに脱落したのだが、そのころにはもう、おれ以外のやつはとっとと...
2024年7月17日
父たちの死
順当にいけば親は子よりも早く死ぬ。親の手で育てられた子にとって、その死は大きな出来事だ。だから、主人公の生涯を追った小説では、両親(や祖父母)の死は重要なイベントとして描かれる。 私の両親は、高齢者、と呼ばれる年齢に数年前に達した。二月には父が肺炎をこじらせて入院した。人...
2024年7月13日
みんな無理せず、無理もさせずに ──『セクシー田中さん』問題報告書を読んで
最初はたしか、地下鉄駅で無料配布されているような、半分が広告やタイアップ記事で埋められた雑誌だった気がするが定かではない。どこかのオフィスで、プリンタ複合機に乗ってポーズを取る、赤く露出の多い衣裳の女性と、それをうっとりした表情で見上げる、会社の制服らしいものを着た女性が目...
2024年6月8日
黄色い本 2024.4.7~2024.5.9
4月7日(日)うすぐもり。私はサッカー部員で、遠征のために、鳥取から倉吉まで夜行バスで移動していた。しかしチームメイトの大半の顔に見覚えはなく、知っているのは私の後ろの席の、学部生のころ英語の授業で同じ班になった半年間だけ協力したあとは連絡も取ってない人、の一人だけ。夕方に...
2024年5月14日
兄の動揺、母の嘆息
町屋良平は、〈身体を記す〉というテーマで書かれたエッセイ「灰色の愛」(『文學界』二〇二四年二月号)のなかで、父親の性欲について母親と話した、というエピソードに続けて、こう書いている。 ちなみにこの話を含めて母親には「私のことは小説(など)に書かないでくれ」と懇願されているが...
2024年5月12日
黄色い本 2024.1.23~2024.3.31
1月23日(火)晴。琉球ゴールデンキングスの今村佳太選手が夢に出てきた。私は河川敷(たぶん高校の山岳部時代に歩いた中国山地の)におり、どこかの大学のゼミの一員として、教授の指示のもと作業をしていた。バケツくらいの大きさの円筒形の枠の中に、石をハンマーで砕いたもの、土、水、そ...
2024年4月11日
三つの性と死
ジャック 家出をしたあなたが マルセイユの街を 泣きそうになりながら 歩いていたとき わたしが その すぐ後を 歩いていたのを 知っていましたか? 高野文子『黄色い本』 〈黄色い本〉──『チボー家の人々』全五巻を読了するにあたって実地子は、高校生活最後の日々をともに過ごした...
2024年4月4日
何も読まない 2023.11.10~2024.1.10
11月10日(金)雨。朝の散歩の途中で降り出す。作業の日、と思ったが、低気圧で頭回らず。 あまり捗らないままに昼、二時ごろの止み間に、ACミランのレプリカユニに上着を引っかけて散歩に出。すぐにでも降り出しそうだから家から徒歩二、三分圏内をうろつきまわっていた、ら、向こうから...
2024年1月17日
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