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2021.4.25
私たちはスタジアム入口に続く階段の上で別れ、それぞれのチケット(私はホーム自由席、ミツカくんはアウェイ自由席)で入場した。FC東京の応援席はゴール裏にあり、私が座ったのとはちょうど反対側だった。私たちはLINEを送りあってお互いの居場所──どちらもけっこう上のほうの、他の客...
2021年10月23日
2021.4.24
この街には、横浜F・マリノスがある。ミツカくんは街灯からぶら下がったフラッグの文字を読み上げた。横浜FCもあるやろ、Y.S.C.C.も。 その二チームは日産スタジアムじゃなくて三ツ沢がホームスタジアムだから。 そうなん。まあべつになんでもええけど。...
2021年10月22日
2021.4.23
私たちは小机に着いた。私にとってはそれが初めての日産スタジアムでの観戦で、当時はまだ開催される予定だった東京オリンピックのサッカー競技の決勝会場、小学六年生の夏にワールドカップの決勝をやっていた、あのへんな髪型のロナウドが二ゴールをたたきこんでブラジルが優勝した、つまりテレ...
2021年10月21日
2021.4.22
ミツカくんのラーメンと、私が追加で頼んだ替え玉と餃子はほどなく来た。私たちはラーメンを食べる間はお互い無言だったが、小机までの横浜線のなかではずっとしゃべっていた。彼は大阪出身だったが、引っ越しのたびにその土地のチーム──高校まではセレッソ大阪、名古屋の大学ではグランパス、...
2021年10月21日
2021.4.21
席に案内しようとする店員に、ツレがおるんで、と断って、彼は私の隣に座った。 奇遇やね。 ミツカくんもサッカー好きなんだ。 この恰好のとおり。でもな──と彼は苦笑いする。作品読んでなんとのう知っとったけど、あんまりあれやね、推しのチームは違うな。...
2021年10月20日
2021.4.20
ミツカくんといっしょにサッカーを観たことがある。日産スタジアムに行くには新横浜か小机の駅がちかいが、私は間違えて横浜で降り、駅のちかくにある、家系ラーメンの発祥の地、とかいうラーメン屋に入った。試合までまだ三時間くらいある、昼のあとの中途半端な時間だった。店内は空いていて、...
2021年10月18日
2021.4.19
都道府県大会に、小学校のサッカー部は出られるのだろうか。小学校卒業と同時にサッカーをやめたヴィッつぁんや私が、クラブワールドカップに出ることはありえただろうか。私たち九人に、久保野くんや君島さんとかが加われば十一人になるけど、出られるのだろうか?
2021年10月17日
2021.4.18
ここまで考えてきてふと、ACLやクラブワールドカップにも、ライセンスというか、参加にあたって最低限満たすべき基準、のひとつやふたつある気がしてきた。ホームスタジアムの規格とか、予算とか、プロ選手の割合とか。だとしたら、ここまで長ったらしく考えてきたことがぜんぶご破算になるが...
2021年10月16日
2021.4.17
本当だろうか。
2021年10月15日
2021.4.16
クラブワールドカップには大陸選手権で優勝しなければ出場できないし、大陸選手権──アジアならACLに日本から出場するにはJ1リーグで上位に入賞するか天皇杯で優勝しなければならない。J1には厳しい審査を経てライセンスを交付されたチームしか所属できないが、天皇杯には、プロクラブは...
2021年10月15日
プルースト 2021.8.26~2021.9.28
8月26日(木)晴。真夏の暑さでひどく汗をかく。文學界の編集者から、来月発売号の校了の連絡。プルースト特集号。私は『失われた時を求めて』の、指定された一冊だけを読んでなんか一本書く、という企画に参加していて、七巻を読んでエッセイめいたものを書いた。これでひとまず私の仕事は終...
2021年10月14日
2021.4.15
ほかに目ぼしいニュースはなく、あまり興味のないもの──ガイナーレではないJ3のクラブの選手の結婚、リーグ・アンの下位チームの監督解任、元ガボン代表のサイドバックの現役引退──にまで目を通してしまう。 世界三十万を超えるクラブチームの頂点を決める戦い、と、クラブワールドカップ...
2021年10月13日
2021.4.14
座談会の確認にどのくらい集中していたのか、体感的にはけっこう時間が経っているような気がするが、恋人から連絡はない。なんだか落ちつかず、スマホのニュースアプリを見ながら待つ。まだ日本は朝の早い時間で、あまり新しいニュースは出ていないが、ヨーロッパのいくつかのリーグのスコア速報...
2021年10月12日
2021.4.13
いやもう、われわれ編集部一同も心より安堵しております。 ほっ、とため息を吐くペンギンのスタンプが頭に浮かぶが、もちろんメールにスタンプが表示されているわけではないし、私がそのペンギンを見るのは恋人とのLINEだけだ。私は、ぜんぜん関係ないのに恋人と、恋人がZOOMの画面をこ...
2021年10月11日
2021.4.12
送ると同時に、スマホの画面の上端に、メールが届いたことを示すバナーが現れた。座談会最終確認です、との件名で、PDFが添付されていた。二月末に行った座談会を、三月に原稿の手直しをして、その後ゲラのチェックを経て、ようやく来月売りの文芸誌に載る。読みかえすのはもう四、五度目くら...
2021年10月10日
2021.4.11
今日、夕方ミーティングなのに。 何時だっけ。 六時半。ずらせるかな……。 まあ酒の席での思いつきみたいだから、無理に出なくても。 無理に出るでしょ。ひさしぶりなのに。 ほんの五秒ほどで返ってきたその言葉に、私はうれしくなった。最後にみんなで集まってから五年以上経ったいまも、...
2021年10月9日
2021.4.10
恋人にLINEを打つ。 ルールーから電話、みんなでこっち来て散歩しようってさ。ウキウキしてる小猿のスタンプを添えて送る。しかし返事は、まじか、という三文字だった。
2021年10月8日
2021.4.9
共同でアトリエを借りて制作をしているエリカとリンをふくめて、私たちのうち八人が自営業や自由業をやっていて、平日とかの暦にもとづいた生活をしているのは私の恋人だけだ。彼女にしても、世界のあちこちの時間に合わせてやりとりをしていて、いくつもの時間軸で生きているふしがあり、私たち...
2021年10月7日
長い寝覚め
もう取り壊された実家に住んでいたころ、私の部屋は路地に面した二階にあった。軽でもすれ違えないほどの細い路地で、突き当たりまで左右に三、四軒ずつあり、すべて借家だったはずだが、私たちがそこに住んでいた十数年の間、住民が入れ替わることはなかった。向かいの家は我が家と同じ二階建て...
2021年10月7日
2021.4.8
迷っているうちにルールーが言葉を継いでくる。平日だし、会社員は難しいかな。 どうだろう。けっこう自分の裁量で働けるみたいだし……。訊いてみるね。 うん、どっちにしろわたしたちはたいへん眠いですので、なんか起きるまでにLINEでお返事しといてもらえれば。 わかった。おやすみ。...
2021年10月6日
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