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黄色い本 2024.1.23~2024.3.31
1月23日(火)晴。琉球ゴールデンキングスの今村佳太選手が夢に出てきた。私は河川敷(たぶん高校の山岳部時代に歩いた中国山地の)におり、どこかの大学のゼミの一員として、教授の指示のもと作業をしていた。バケツくらいの大きさの円筒形の枠の中に、石をハンマーで砕いたもの、土、水、そ...
2024年4月11日
三つの性と死
ジャック 家出をしたあなたが マルセイユの街を 泣きそうになりながら 歩いていたとき わたしが その すぐ後を 歩いていたのを 知っていましたか? 高野文子『黄色い本』 〈黄色い本〉──『チボー家の人々』全五巻を読了するにあたって実地子は、高校生活最後の日々をともに過ごした...
2024年4月4日
何も読まない 2023.11.10~2024.1.10
11月10日(金)雨。朝の散歩の途中で降り出す。作業の日、と思ったが、低気圧で頭回らず。 あまり捗らないままに昼、二時ごろの止み間に、ACミランのレプリカユニに上着を引っかけて散歩に出。すぐにでも降り出しそうだから家から徒歩二、三分圏内をうろつきまわっていた、ら、向こうから...
2024年1月17日
大菩薩峠 2023.10.8~2023.11.3
10月8日(日)雨。具合良くなし。午前中は薬を飲んで安静にしている。午後、書評書き。ひとまず文字数のことを考えずに書いて、明日削ることとする。夕方までに、依頼された文字数の一・五倍ほど。 そのあと小野正嗣『あわいに開かれて』を読了。水と陸の境──あわいというモチーフを、この...
2023年11月14日
逃げ水を追う
小説を書きながら、だいたいは小説に書かないことを考えている。推敲を経て消した言葉や、検討した結果書かないことにした場面のことだけでなく、上手く言葉が出てこない苛立ちとか今朝食べた桃の舌触りとか、近所で工事をしているおじさんたちの声とか、今日の作業を終えたあとに読む本とか。夜...
2023年11月10日
大菩薩峠 2023.8.21~2023.10.5
8月21日(月)快晴。具合良くなし。夜中に何度か目覚める。まだ回復してないかんじ。朝、住本麻子がnoteで公開してる日記を読んだ。 最低限の目標と最高の目標を設定するというのはわたしが中学の頃に部活動でやっていた目標設定のやり方なのだが、幅があるのがいいと思っている。高すぎ...
2023年10月14日
糸魚川の北海道弁
糸魚川市というのが新潟県のどのへんにあるのか私はよく知らない。高校の地理の授業で習った、フォッサマグナの境界である糸魚川─静岡構造線というののことは今も憶えているし、受験のために必死で頭に叩きこんだから今後もしばらくは忘れないだろうが、それだけだ。...
2023年10月10日
大菩薩峠 2023.7.16~20233.8.11
7月16日(日)快晴。近所の公民館で新興宗教の人たちがお菓子を配る会をやっていて、小学生の私が入ると、年老いた男性信者が鶯色の腰巻きを渡してくれる。ふわふわの、風呂場の排気口に貼るフィルターみたいな素材の腰巻きを苦労しながら身につけ(腰紐もふわふわで結びづらかった)、和風の...
2023年8月14日
ユートピアの話
たしか三鷹あたりにしようと話していた。私たちは誰も東京に住んだことがなく、知ってるのは山手線の内側だけだった。私たちみたいな表現者志望の若者は高円寺というところに住むものだ、というのはなんとなく知っていたが、地図上でどの辺りにあるのかはよくわからない。三鷹は中央線のどこかに...
2023年8月11日
大菩薩峠 2023.6.13~2023.7.12
6月13日(火)晴。蒸し暑い。朝からこまごま事務仕事。昼は上海風焼きそばにして、岩合さんの猫番組を観ながら食う。 半身浴をして、竹下文子文、鈴木まもる絵〈黒ねこサンゴロウ〉一巻の『旅のはじまり』を読。全十巻の、小学校に入るかどうかくらいの時期に繰り返し読んでいた、人生ではじ...
2023年7月14日
山ヌケと海の地震
七年ほど札幌に住んでいた。郷里の鳥取と札幌は、直行便ではつながっていない。デビュー作の内容で実家と気まずくなった二年ほどを除いて毎年一、二度の帰省で、そのたびに違うルートを選んだことにたいした理由はなく、いずれにしても長い距離を毎度同じやりかたで移動するのは飽きてしまいそう...
2023年7月13日
大菩薩峠 2023.5.14~2023.6.9
5月14日(日)午後三時からBリーグチャンピオンシップの千葉対広島の二試合目。千葉が、おそらく当初のゲームプランとは違う展開を強いられながらも、それでもリードを広げていくのを観ながら、実況の篠田和之アナウンサーが、こういうことを言っていた。「いわゆる「やりたいことができなけ...
2023年6月14日
メタフィクショナルな悪ふざけ
考えてみればそんなことを怖れるのは馬鹿馬鹿しいことではあるのだが、演劇やライブや講演や、とにかく舞台の上に生身の人間が立って何かパフォーマンスをするのを観に行くときいつも、じゃあここでお客さんに上がってきていただいて……みたいな展開になるのが怖かった。実際そういうことは何度...
2023年6月10日
大菩薩峠 2023.4.12~2023.5.11
4月12日(水)朝は晴、だんだん曇って夕方に雨。早く起き、眠い目をこすりながらパスタを茹でる。三十分ほど散歩して始業、金曜日に書き上げた短篇の推敲。五日経ったこともあり、冷静な目で読めていると思うのだが、これはけっこう良い作品ではないか。夕方まで推敲をつづけ、編集者に送稿。...
2023年5月14日
彼が話そうと思わないこと
もしも君が、ほんとにこの話を聞きたいんならだな、まず、僕がどこで生まれたかとか、チャチな幼年時代はどんなだったのかとか、僕が生まれる前に両親は何をやってたかとか、そういった《デーヴィッド・カパーフィールド》式のくだんないことから聞きたがるかもしれないけどさ、実をいうと僕は、...
2023年5月10日
大菩薩峠 2023.3.11~2023.4.9
3月11日(土)晴。花粉の飛散量のピークがきているらしく、薬を飲んでも頭に靄がかかっている。十四日に公開するため、『大菩薩峠』の三巻を読んでた時期の日記の改訂作業、をしていると、六日に「昼休みにプルースト。」と書いていた、ことに気づく。『失われた時を求めて』読了から半年ちか...
2023年4月14日
その意味
いつかは鳥取に帰ってくるんだろう、と、親戚に言われたことがある。私は四人きょうだいの末っ子だから、家を継ぐことを期待されていたわけではない。彼らにとって東京は、高等教育を受けたり、社会人としてのキャリアの初期を過ごす場所だ。地元で仕事をするための基礎ができたら──そのころに...
2023年4月10日
大菩薩峠 2023.2.13~2023.3.8
2月13日(月)朝の散歩の帰りに降り出して、そのあとはずっと雨。朝も昼も白米だけにして、もくもく原稿を書きつづける。夕方まで。 パニックを発症してからなのか、それ以前からそうだったのか、リラックスというのができなくなっている。原稿や読書、何かに没頭しているときは忘れていられ...
2023年3月15日
恋と帳面
はじめて日記を書いたのは小学生のころだった。学校の宿題だ。一行目に薄く刷られた「せんせいあのね、」をなぞってから、その日の出来事を書く。どんなことを書いても先生ははなまるをくれたが、最終行まで埋めなければ叱られた。そのころの私にとって日記は、強制されて書くものだった。二年生...
2023年3月10日
大菩薩峠 2023.1.15~2023.2.10
1月15日(日)曇ったり降ったり。午前は『悪魔の詩』の上巻を進読。昼ごろに外出。乾燥か、花粉が飛びはじめてるのか、ひどく目が痒い。 飯田橋へ行き、十一月に閉館したギンレイホールの前を通りがかる。五年間バイトした場所。まだ取り壊しははじまっていないようで、休館の貼り紙とか、最...
2023年2月15日
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