2022年4月12日2021.10.13そうしているとまたインターフォンが鳴り、別の運送業者が宅配便を持ってくる。連休最終日に文学フリマがあって、私は知人のブースを冷やかしに行った。パンデミックがはじまってから、文学フリマは一度の中止を挟んでそれが四度目で、私にとっては二年半ぶりだった。買った物が多すぎて持って帰...
2022年4月11日2021.10.12三人の運送屋さんたちが手際よく養生をして、私たちの荷物をどさどさ運んでくる。うおお、と楽しげな悲鳴を上げながら、それがいちばん多い、大量に本が詰まった箱を積み重ねていく。すいません、本ばっかで。引っ越しのたびに言う言葉を私は今回も言い、いやーぼくらはこういうのがいちばんいい...
2022年4月10日2021.10.11私の雇い止めは三月末日で、恋人のリモート移行は四月一日からだったが、ラッシュを避けて、引っ越しは五月の連休明けにした。もう初夏といっていいほど暖かい日だった。部屋の契約は五月一日にしていたから、私たちはすでに何度か新居に行っていて、寒々しいくらいに広いLDKで抱きあったり、...
2022年4月9日2021.10.10私がそんなことをしてる間も、隣の部屋で恋人は、三十分ほどの猶予の間に少しでも仕事をこなしつつ、ヤスミンとのミーティングのことで気を揉み、この時間はまだ暖かいけど日が落ちれば肌寒く、でも歩き回れば身体は火照る、という今の気候に合わせて、デニムの上に七分丈でも着りゃいいかな、く...