2022年5月22日2021.11.22でね、ここからがちょっと気になったとこなんだけど……。リョウくん、聞いてた? あっ、いや、できたところより足りなかったところを意識するほうが次良いものを書けるんだよ。 それはそれとして聞けよ!と冗談めかして怒る林原さんの向こうを、佐世保ナンバーの軽自動車が走り抜ける。...
2022年5月21日2021.11.21林原さんは、基本的に良いところを褒めるかんじで評してくれてるけど、それはあくまでも、このあとぶつける本質的な批判のまえふりだ──とあまり真に受けて浮かれないように自分に言い聞かせながら相槌を打つ。ええ、はい、いまから社に戻りますので、すみません、と電話に向かって謝りながら、...
2022年5月20日2021.11.20私たち四人のうち林原さんだけが、誰かの作品が出ればミツカくんの店でその話を持ち出したり、しばらく会う機会がないときは長文のLINEを送ってくれる。先月の文芸誌に載った私の中篇も、発売されてすぐ、〈句点なしは思い切ったね! ひとすじなわじゃいかなさそう。熟読して、次会ったとき...
2022年5月19日2021.11.19二人のこと、わたしなりに心配してるんだからね。恋人のその言葉でリンの話は終わり、九人は、また二、三人ずつで縦になる。二人のこと、というのは、リンとエリカのことか、それともリンとシロタくんのことなのか。昔読んだ青春恋愛短篇漫画は、若い二人が向かいあい、好きだよ、という台詞で終...